サラリーマンも銭闘がしたい!~まずは転職活動からはじめよう~
寒くなってきましたね。
このくらいの気温になると「今年も野球の試合はあと少しだな」と感じるようになってきました。寂しいですねぇ。
しかし、ご安心を。
野球はオフシーズンさえもエンターテイメント。
年俸交渉やFA(フリーエージェント)*1 などお金にまつわるプロ野球の人間模様はとっても見ごたえがありますよ。
年俸交渉の場において選手側が提示金額に不満を示しゴネることを銭闘と呼びます。
かつて中日ドラゴンズに在籍していた福留孝介選手は2007年の交渉にて「誠意は言葉ではなく金額」という超ド級の名言を残し、黄金銭闘士としての地位を確立しました。
今年は広島東洋カープの丸 佳浩選手や埼玉西武ライオンズの浅村 栄斗選手といった大物野手がFA権の行使宣言をしたことで、去就が注目されています。
FAの権利は頑張った選手のものなんですが、育ててくれた球団やファンに対しての裏切りに感じる人もいるようで
選手 「球団には感謝している」
ファン「ふむふむ」
選手 「他球団の評価を聞いてみたい」
ファン「どうせ金だろ」
選手 「つらいです」
みたいなシーンはオフシーズンの風物詩となっています。
銭闘はいけないことなのか?
夢を与えるプロ野球選手がお金にがめついというのは批判されがちな風潮がありますが、自身の評価としてお金を求めるのは決して悪いことではないと思います。プロとしての評価はお金で表すことしかできないのではないでしょうか?
大事な事なのでもう一度言います。
誠意とは言葉ではなく金額です。
プロ野球選手は個人事業主なので、同列に語ることはできませんが、サラリーマンとしてお金を稼ぐことの大変さを知ると、選手が銭闘する気持ちもわかります。
いまの環境・待遇に満足しているのであれば、それは素晴らしいことですが
「自分の評価を知りたい」
「正当に評価されてない気がする」
「自分の仕事に停滞を感じる」
そう感じている方もたくさんいるのではないでしょうか。
本日はサラリーマンの銭闘について考えてみましょう。
サラリーマンこそ銭闘は必要
私は転職を2回経験し、そのたび年収も100万円以上アップしました。ありがたいことです。単純だけど大事な話で、給料が上がるとやる気がでます。
自分自身をレベルアップさせるためには価値に見合った報酬をもらうことが不可欠です。
つまりサラリーマンこそ銭闘が必要ということです。
「頑張っていれば給料が上がるだろう」
という姿勢で待つのではなく
「このくらいの給料が欲しい」
と目標を決めた方が効果的なのを身をもって理解することができました。
銭闘するためには実際に転職する・しないに関わらず、まずは転職活動を始めてみましょう。
私は転職エージェントの利用、ヘッドハンティングを経験しました。まずは転職エージェントに登録してみるのがいいでしょう。
転職活動してわかったこと
私自身は転職活動をしたことで以下の3つのことを知ることができました。
- 自分の実績(過去)
- 自分の価値(現在)
- 自分の志向(未来)
1.自分の実績(過去)
転職活動のはじまりはまず「何をしてきたのか」を知ることからです。
日々の業務に追われていると、「どんな仕事をしてきたか」「どんなことができるのか」を客観的に見る機会がありません。
これまでの業務やスキルを整理して、可視化することで、自分が成し遂げてきたことを知ることができます。
2.自分の価値(現在)
転職活動は「自分の社会的価値」を知ることでもあります。
会社の中にいるだけでは、社会のことはなかなか見えてきません。業界のことを知ることで自らの立ち位置がわかってくるようになり、自分自身の価値が見えてきます。
3.自分の志向(未来)
転職活動をするまで「自分自身どうなりたいか?」というのが意外とわかっていないことに気づきました。
- どんな人生を過ごしたいか?
- 人生で何を優先するか?
- 仕事と生活のバランスは?
やや大きな概念の話になってしまいますが、夢中で仕事をするだけでは気付けない視点でもあります。
お金の話から逃げない
お金が目的で始めた転職活動でも、自分の価値と向き合うことにつながります。サラリーマンにとっての銭闘はお金の話から逃げずに人生と向き合うということを意味します。
しっかりと自分の人生を考えていくために、サラリーマンも転職活動をして銭闘体制を整えていきましょう。
本日はこれにて。
お付き合いいただきありがとうございました。
*1:*一定の期間チームに在籍して頑張ってきた選手に与えられる権利である!ほかのチームと自由に交渉することができ、いい成績を残していれば年俸大幅アップのチャンス!ただし「使うのなら、ウチには残れないよ」というチームもあるため、ほかのチームがとってくれなければ無職になってしまうまさに諸刃の剣なのだ!
祝・根尾くん獲得!試される「ほっとく」勇気
こんにちは。
キウイズムです。
クライマックスシリーズの出場権も逃し前年と同じシーズン5位となるなど、寂しいポストシーズンをすごしていた我らがドラゴンズに先日嬉しいニュースが飛び込みました。
悲願!!竜1位 大阪桐蔭高・根尾昂、つながっていた青い糸 目指すは唯一無二の存在:ドラニュース:中日スポーツ(CHUNICHI Web)
そう!N・E・O!
竜の恋人・根尾昂くんを4球団競合の末、見事獲得することができたのです。
与田新監督は素晴らしい初仕事をやってのけましたね。「持ってる」監督として最初に良いイメージがつくことは来シーズンに向けてもプラスになるのではないでしょうか。
背番号についても盛り上がっている模様。
【画像】中日・根尾くんの背番号1ユニフォームの想像図wwwwwwwww : ドラ速~Dragons速報~
この背番号になったら絶対買ってしまう。
こんなん卑怯ですわ。
遊撃手か、投手か、はたまた二刀流か。どのポジションでやっていくかはこれからの話ですが球団関係者の期待は大きいのではないでしょうか。
とはいえドラフト1位の選手が必ずしも長く活躍する選手になるわけではありません。
どんなに素晴らしい素材も環境次第で大きく変わります。
球界の逸材を獲得することは、大きな喜びであり、重圧でもあるのです。
かつて大谷翔平を獲得した日本ハムファイターズのように、中日ドラゴンズは「根尾昂を育てる」という大きなミッションを背負ったことになるのです。
どのように育つかとても興味深い選手で、色々教えたくてウズウズしている球団OBや関係者も沢山いると思います。しかし人を育てるにあたって大事なのはどれだけ「ほっとく」ことができるかであると考えています。
手取り足取り教えるだけが指導ではない
"すべてのアドバイスに耳を塞いでいながら、同時に俺は、すべてのアドバイスに左右されていたのだ。"
長島一茂 「三流」 p137より
球史に残るスーパースター長島茂雄の息子であり、史上最も期待されたドラフト1位の男であった長島一茂は、周囲からのアドバイス過多を「情報のフォアグラ状態」と称し、心と体のパニックを起こしていたと語っています。
"周りの目を気にし、選手に手取り足取り教えないと、「このコーチは何もやっていない」と思われるのではないかという考え方をするからいけないのだ。本当に気をつけなければならないのは、指導能力のない者が素質の高い者の入り込んではいけない部分に入り込んでつぶしていくことなのだ。"
落合博満 「コーチング 言葉と信念の魔術」p20より
また元中日ドラゴンズ監督の落合氏もコーチの仕事は教えるのではなく見ているだけでいいという持論を展開しています。
手取り足取り教えている人に対して「熱心な指導者」と周囲は評価するでしょう。教えられた側も熱意のこもった、その助言をないがしろにすることはできません。
しかし人を育てるにあたっては、さらに難易度の高い「ほっとく」ことができるかが試されるのではないでしょうか。
NEOゼネラルマネージャーあるでこれ。
— キウイズム (@saezurukiwism) 2018年10月26日
根尾 文武両道の秘密は読書 父から毎月届く20冊「気になるタイトルは読みあさる」(スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース https://t.co/byxpUv2vjr @YahooNewsTopics
特に根尾くんは「自分で考える力」が強そうなので下手に球団のカラーに染めず「ほっとく」のが良さそうです。むしろ球団のカラーを変えてほしいくらいです。
「ほっとく」勇気を持とう
育てる立場にいる人にとって「ほっとく」というのは勇気のいることです。
「さっさと効率のいいやり方をアドバイスをする」
「何ならこっちでやってしまった方が楽だ」
経験上そんな上司の方が多かったと思いますし、スピード重視のビジネスマンにとってはそれもひとつの答えかもしれません。自分自身も焦ったような指導をしてしまうことがあります。
しかし、それによって感性や自主性といった繊細な部分をも潰してしまうリスクもあることを理解し、少しだけ「ほっとく」勇気を持ってみようかなと思っています。
本日はこれにて。
お付き合いいただきありがとうございます。
異常な日常~ありがとう、岩瀬仁紀~
こんにちは。
キウイズムです。
1試合に登板する。
1回を0点に抑える。
野球においてはありふれた日常。しかし、その景色はとんでもない努力や多くの選手たちの挫折によって成り立っています。
そんな異常な日常を積み重ねた男が引退を決意しました。
2018年9月26日、この日は広島カープが3連覇を果たし、黄金期を迎えました。
一方、中日ドラゴンズにとっては一時代の終わりを象徴する出来事が起きました。
2010,2011年に球団史上初となるリーグ2連覇をはたした黄金期のメンバーです。毎年、引退は避けられない話題なのですが、今回ばかりは「本当にみんないなくなってしまうんだな」と。。
なんだかこみ上げるものがあったので、いつにもましてとりとめなく書いていきます。
今ないものにこだわってはいけないという記事を書いたくせに、実は黄金期に一番こだわっていたのは自分だったということが判明することに。喪失感ハンパねぇっす。。
特に岩瀬選手には思い入れが強く、今年も必要な戦力で、来年もいてくれると思っていただけにショックが大きかったです。ファンレターを書いたり、ユニを買ったり、、今年唯一の現地観戦での投げる姿がこの目で見た「投手・岩瀬」としての最後になってしまうことが寂しくてたまりません。
死神を語る2つの数字
2018.9.26時点までの成績を見てると特筆すべきはやはり日本記録のこの2つ。
- 999登板
- 406セーブ
冷静に考えなくても異常な数字です。
1年だけでも難しい50登板、20セーブを20年以上達成しないとできない計算です。登板数なんてドラクエだったらカンストしてます。
歴代最高記録 登板 【通算記録】 | NPB.jp 日本野球機構
歴代最高記録 セーブ 【通算記録】 | NPB.jp 日本野球機構
セーブ数はそうそうたる守護神の中でもぶっちぎりですし、登板数に至っては一人だけタイムスリップしてます。
こんなレジェンドたちの記録を抜く選手なんて今後もう出てこないでしょう。
そんな圧倒的な成績と「死神」という物騒な二つ名があるにもかかわらず、当の本人は「普通」「オーラがない」「ナゴドのイオンが似合う」「川上憲伸のマネージャー?」なんて言われてしまう始末。そこが魅力でもあるんですが。自分の記録にもこだわりがないようで「引退した後でゆっくり振り返りたい」と言っています。きっと自分が一番びっくりするんじゃないかな。アンタ化物なんやで。
死神はどこへ行く?
今シーズンはまだ残っています。おそらく前人未到の1000登板も達成することになるでしょう。プロ野球の記録にはしっかり残るけど、意外と記憶には残らない可能性があるのが岩瀬選手。それはそれで愛しい感じがするので、まあ良しとしましょう。少なくともドラゴンズファンは絶対忘れない。
いったん球団を離れるらしいですが、いつか必ず帰ってきてほしいです。指導者としてはどうなるかな?怖いイメージはないですが、圧倒的な成績で無自覚に選手にプレッシャーを与えていきそうですね。もしくは監督になって「文句を言いたかったら、俺の成績を超えてから言え」とか言いだしたら最高なんですが。
「もっと続けてくれ」という気持ちはありますが、「ついにこの日が来たか」と納得している部分もあります。ここ数年は岩瀬選手が登板して抑えるとホッとして「よくやった」と思ってしまっている自分がいました。そんなのはありふれた日常だったはずなのに。。
まだまだ気持ちの整理はついていませんが、最後の瞬間まで応援し続けます。
サンキュー死神。
異常な日常をありがとう。
本日はこれにて。
お付き合い頂きありがとうございました。
岩瀬愛あふれる記事はこちら
原風景への寄り道~松坂大輔のスライダー~
過去は過去。
懐かしむばかりでは前に進めない。
それは分かっている。
でも、ちょっとぐらいの寄り道はいいじゃないか。
この日、松坂大輔が投げたスライダーは原風景への寄り道を許してくれた。
2018年9月13日、この日38歳の誕生日を迎える男は甲子園のマウンドに立っていた。五回裏ランナー2,3塁のピンチを招く。迎えるバッターは前の2戦で3本のホームランを放っている阪神・大山。フルカウントからの渾身の一球で空振り三振に打ち取った。
「ウチの投手陣はこっからが大変なんだ」と余計なことを考えたのち、ふと20年前のある場面を思い出していた。場所は同じく甲子園、ノーヒットノーランで春夏連覇を決めた横浜高校エースのスライダーだった。
「1998」
野球に出会った野球元年である。この数字を忘れることはないだろう。
小学生だったぼくは松井稼頭央になりたくて野球をはじめた。イチロー、松井秀喜をはじめとしたスーパースター達に目を輝かせていた。テレビでは巨人戦しか見ることができなかったが、中日ドラゴンズという最高のライバル役に魅せられ今でも応援してる。大人になり、現地観戦もできるようになった。それでも野球の原風景はテレビに映っていた彼らの姿なのである。
松坂大輔に出会ったのもこの年であった。彼はまぎれもなく甲子園の主人公であった。清原和博でもなく、斎藤佑樹でも、清宮幸太郎でもない。彼が主人公であることだけは譲れない。横浜高校vsPL学園をリアルタイムで見れなかったことだけは今でも悔やんでいる。最高の試合ほど見逃してしまう。そんな悔しさも野球あるあるだ。準決勝vs明徳義塾での逆転劇、野球の希望と絶望を知った。そして決勝での偉業。当時のぼくはノーヒットノーランの意味や凄さがよくわかっていなかったが、最後に投げたあのスライダーの軌道は何故だかいつまでも覚えている。
あれから20年の時が過ぎ、連投でノーヒットノーランを達成した男も、いまや5回を投げ切るのが精一杯だ。彼はあまりにも投げすぎた。
怪物の面影は最早ない。
それでも彼はこう言っている。
”「今のところは辞めていった、辞めていく選手の分も頑張ろうというか・・・。続けていくつもりです」”
松坂、来季も現役続行を表明 「辞めていく同世代の分まで頑張る」:ドラニュース:中日スポーツ(CHUNICHI Web)
昭和生まれの平成の怪物は、次の元号でも投げることを約束してくれた。
「「ぼくはもう少し頑張るよ」という決意表明の日にしたかった」
この日のヒーローインタビューで語った「もう少し」がすこしでも長くなることを祈っている。
そしていつか、また寄り道を許してくれることを願っている。
ヤバい愛を持った男を語る 〜栗山英樹の「育てる力」〜
"「翔、遅い、遅い、遅いよ。外のチームなんてあり得ないだろ。もっと早く決めて連絡しろよ。翔のいないチームなんておれは絶対に考えられないぞ」"
育てる力 栗山英樹「論語と算盤」の教え p48より
いきなりでビックリした方もいるかもしれませんが、本日紹介する野球本のここが一番好きなんです。
著者である北海道日本ハムファイターズ監督の栗山英樹氏がチームの主力打者中田翔選手からFA権行使をせずチームに残留するという連絡を受けた時の言葉です。とくに「遅い、遅い、遅いよ。」のバックスクリーン3連発はザ・栗山英樹という感じで秀逸です。
本日は著書の紹介にかこつけて栗山監督のヤバさを語っていきます。
栗山監督を救った「論語と算盤(そろばん)」の教え
かつて苦しむ栗山監督は「日本資本主義の父」といわれる渋沢栄一氏の著書である「論語と算盤」に出会い、その教えに救われました。本書では人材育成と組織作りにもっとも大切な「論語(道徳)と算盤(経済)」の教えを自身のチーム作りにどのように活かしてきたのかを解説しています。「どのように人を育てるか」「強い組織をつくるにはどうするか」といったビジネスの世界にも通ずる普遍的な内容なのでやきう好きだけでなく、ビジネスマンにオススメの一冊です。
栗山監督のヤバい愛
栗山監督のキャラを一言であらわすと「野球愛・選手愛がヤバいやつ」です。
選手を下の名前で呼ぶ監督がこれまでいたでしょうか?最初は正直気持ち悪いなと思ってたんですが今ではむしろそれがよい。ジョジョの絵みたいなものです。
2012年の就任当初、エースであったダルビッシュ有選手がメジャー移籍で抜けたこともあり「栗山監督で日本ハム大丈夫なのか」と手腕を疑問視していた方も多かったはずです。
しかしこれまでの野球界の気質にとらわれない組織づくり(これは日本ハムというチームの特殊性もあるでしょうが)によって就任6年でリーグ優勝2回うち1回は日本一という結果を残しました。今では私もすっかりテノヒラクルーして好きな監督のうちの1人です。
なんと言っても大谷翔平選手の二刀流の実現。これは栗山監督がいなければ成しえなかった平成の偉業です。
それらはすべて栗山監督の野球、そして選手へのヤバい愛に基づくものです。本著ではそれをたっぷりと味わうことができます。
ヤバい男になるには利他的でいることだ
そんなキャラクターの強い栗山監督ですが、本著の中で利他的であることの重要性を説いています。それはもちろん「論語と算盤」の教えに基づくもので、「自分の利益だけを求めると必ず衰退する」と考え自己を滅して野球と選手に愛を注いでいることが本著から伺えます。そして逆説的ではありますがそのことが野球人としての強い自己表現となっているのです。
自分が何者か知りたい。何者かになりたい。そんな悩みを持っている方は本著を読んでみたらヤバい愛を持つ喜びに目覚めるかもしれません。
本日はこれにて。
お付き合いいただきありがとうございました。
ビジネスマンにおすすめの野球本
たまにはライバル球団の本を読んでみよう~古城茂幸最強の武器とは~
こんにちは。
キウイズムです。
この頃はやきうの本を読む日が続いていますが、最近読んだオススメの一冊を紹介します。
プロ野球生活16年間で一度もレギュラーになれなかった男がジャイアンツで胴上げしてもらえた話
元読売ジャイアンツの古城茂幸氏を題材にした書籍です。
「おいおい、にっくき読売の本じゃねーか」
とドラファンからお叱りをいただきそうですが、小笠原道大(現中日二軍監督)や奈良原浩(現中日一軍内野守備走塁コーチ)といったドラゴンズに関わる人物のエピソードもありますので一読あれ。
古城茂幸という選手について
古城茂幸氏は内野ならどこでも守れるユーティリティプレイヤーと呼ばれる存在でした。タイトルにもある通り日本ハム→巨人と移籍して一度もレギュラーをつかむことはなかった選手です。
しかし厳しいプロ野球の世界で16年間も現役でいるということは並大抵のことではありません。それを可能にした古城選手の努力と人柄を監督やチームメイトへのインタビューを通して記しています。
他にも古城氏が見てきた日本ハムや巨人のチームメイトたちの素顔も描かれていて、小笠原氏との元ファイターズの絆や故・木村拓也氏(元巨人コーチ)とのエピソードなどは必見です。
プロ野球選手の厳しい野球への取り組みや人間味あふれる一面を知ることができる素晴らしい一冊でした。
古城氏はお世辞にもスターといえる選手ではありませんが、ある意味ファンの目線に近い、それでいてプロの選手の視点であるという絶妙な距離感が本書の見どころです。
平凡な選手が持っていた最強の武器
プロ野球選手として一見平凡にみえる古城氏には
- 丈夫な体
- 話しかけやすいキャラ
- ミスを気にしないポジティブさ
という強力な3つの武器がありました。
そしてそれが周りの人間に好かれる要因だったのです。
最終的には引退試合というプロ野球選手にとってのグッドエンドを迎えることができました。
この3つは一般社会でも強力な武器になります。
職場で周りに好かれている人ってこの要素を持ってる気がしませんか?
「アイツってなんだか憎めないんだよなぁ」
「かわいい」は実はつくれないけど、「かわいげ」はつくれます。
まだ間に合います。
余談になりますがジャイアンツといえば我が中日ドラゴンズの永遠不滅のライバルです。最近はどちらのチームも低迷しているので寂しいかぎりですね。。
強いジャイアンツと競って優勝する。
いつの時代もドラファンにとって最高のシナリオはそれなんですよ。
お互い頑張りましょう。
本日はこれにて。
お付き合い頂きありがとうごさいました。
こちらのライバル記事もよろしくです
「チームのため」という雑念を振り払って ~生き返れ!浅尾拓也!~
どらほー@(・●・)@
キウイズムです。
やったぜ!
平田選手がサイクル安打を達成! Dragons中日ドラゴンズ-公式「試合ブログ」/ウェブリブログ
松坂選手の5勝目!
平田選手のサイクルヒット!
高橋周平選手のサイクルヒット未遂!
藤井選手何気に猛打賞!
etc!
と喜びが渋滞していた本日のドラゴンズですが、なんといっても浅尾選手の登板です。
内容は危なっかしいものでしたが、無失点という形で終えたのは本人にとっても大きかったように思えます。ここで点を取られたら何かが終わる。そんな悲壮な表情で投げていたのが特徴的でした。
今シーズンは中継ぎ陣の調子が良くないにも関わらず、なかなか1軍昇格の機会が得られなかった浅尾選手ですが、今季初の1軍昇格時にこんなことを語っていました。
"(1軍の)中継ぎでも(立場は)一番最後だと思います。投げて、自分のために結果を出したいというのもあります。チームが勝っている場面で投げないとは思いますが、言われたところでしっかり投げたい"
浅尾選手は優勝に貢献した2010,2011年の2年間で計151試合に登板しました。
間違いなく「チームのため」に投げた選手だと言えます。
そんな選手があえて使った「自分のため」 という言葉。これが非常に刺さりました。
ファンはチームの勝利だけを求めるのか?
こういった考えは少数派かもしれませんが、一ファンとして選手自身には「チームのため」というような言葉を使って欲しくないと考えています。
野球は団体競技であり、バントのように「犠牲」と名のつくプレーもあります。しかしそれもつきつめていくと、本人がプロとして生き残るためのプレーであり「自分のため」なのです。
ヒーローインタビューなどで「チームのため」的な言葉を耳にしてもなんだか「後付けっぽい」と感じてしまうのです。ひねくれすぎでしょうか?
チームの勝利というのは最大の目的ですが、それ以前にプロ野球はプロ野球選手によって成り立つもの。最大の魅力はやはり「個」にあります。
そして「個」であるプロ野球選手達が純粋に自分のために全力を尽くす姿を見たいと思っています。勝利、栄誉、技術の追及、あるいはお金?動機は様々ですが各選手のエゴを感じ取ることができればもっと野球を見るのが楽しくなるのではないでしょうか。
もし「チームが勝てなくても自分が打つことが最大のファンサービス」みたいなことを言う選手が現れたらそれはそれで面白いと思いませんか?
「チームのため」という思いは時には雑念であり、免罪符になりかねないものでもあります。今シーズンのドラゴンズでは昨年ある程度の成績を残した選手ほど苦しんでいます。もしかしたら色々と考え過ぎてしまっているのかもしれません。
選手たちには「チームのため」という雑念を振り払ってプロ野球選手としての生き様を見せてほしいと願っています。
他の選手もとにかく自分のためだけにプレーしてほしい。「チームのため」は雑念になりかねん。 https://t.co/PrZHXFOVrT
— キウイズム (@saezurukiwism) 2018年8月15日
そして浅尾選手の復活を心から願っています。
本日はこれにて。
お付き合いいただきありがとうございました。
こちらもよかったら
「大丈夫?」は愚問 球数制限論に思うこと
こんにちは。
キウイズムです。
暑い季節がやってまいりました。
高校野球は連日ドラマチックな試合が続き盛り上がりをみせていますが、一方でこんな問題提起もなされています。
ポイントとしては
- 184球を「力投」と美化する風潮に疑問
- 体も技術も未熟な高校生に無理をさせてはいけない
- 選手は「いけるか?」と聞かれたら断れない
の3点です。
投手の起用はプロでも難しいですからね。高校生ならなおさらです。
球数を制限するという議論も何年も前から出ていましたが、近年はより活発になっています。
橋下徹氏が済美・山口直哉の184球に「投球数制限を導入すべき」 - ライブドアニュース
個人的には球数制限には反対ですが、高校生の投手起用については監督が全責任を取らなくてはならないと考えます。
もっとはっきり言うと監督は
「勝利のため選手が潰れても仕方ないと思って投げさせた」
と言えないのであれば184球も投げさせてはいけません。
球数制限よりも廃止すべきは記事の中にもあった
「大丈夫か?」「いけるか?」
といった類の愚問ではないでしょうか。
「大丈夫?」と聞かれたら「大丈夫」と答えてしまう
この「大丈夫?」という問いかけ。正直断りにくいです。
本人の意思を尊重しているといえば聞こえは良いですが、管理する側が判断を放棄しているとも取ることができます。聞く側からするとラクなんですよね。
言ってしまえば断る・断らないも自己責任ですが、上下関係があるとそれも難しい問題だと思います。だからこそ人の上に立つ人間は言葉を慎重に選ばなければなりません。
ついつい言ってしまう「大丈夫?」
言う前に少し考え直してみましょう。
本日はこれにて。
お付き合いいただきありがとうございました。
偉大なる前任者を乗り越えて
こんにちは。
キウイズムです。
本日もドラゴンズは敗戦。。
吉見選手の完封勝利で始まった対ヤクルト3連戦ですが、2,3戦目はそれぞれ8回、9回にリリーフ陣が逆転を許すという手痛い敗け方です。
竜速(りゅうそく) : 中日・森繁監督「また同じことを言わせんなよ。毎日、毎日…。誰か(抑え)やってくれよ・・・」 https://t.co/HiavRjISyH
— 竜速(りゅうそく) (@ryusoku_D) 2018年8月12日
森監督もメンがヘラってる模様です。
確かにリリーフが打たれての逆転負けはつらいものがありますが、我々ドラゴンズファンの精神的ダメージが大きいのには理由があります。
それは前任者があまりに偉大すぎること。
今シーズンのここまでの戦いぶりに
「2011年浅尾と岩瀬がいれば、、」
という考えがよぎったファンは多いのではないでしょうか。
— のもとけ (@dnomotoke) 2018年8月12日
かつて投手王国とよばれたドラゴンズには絶対的セットアッパー・浅尾拓也と歴史的守護神・岩瀬仁紀という勝利の方程式が存在しました。
いまではその強烈すぎる残像がファンやチームを苦しめている気がしてなりません。
2人はまだいますが、2人のような成績を残す投手が現れる確率は非常に低いです。
というかもう出てこないでしょう。
今後は絶対的なセットアッパー、守護神にこだわらず現実を見据えて投手陣を運用することが求められますね。
ないものねだりは時間の無駄である
こうした教訓は管理職として采配をふるうビジネスマンにも心がけてほしいものでもあります。
前任者の業務をそっくりそのまま後任者に担当させるというのは珍しいことではないですが、私はそれは管理職の怠慢だと考えています。
もし仕事ができない部下に対して
「前の担当者はこのぐらいやっていたのに」
「アイツが自分と同じくらいできたらなー」
といった思いがあるのであれば、ないものねだりは時間の無駄なので今すぐ考え方を変えましょう。
人間の資質や能力はそれぞれ違います。
できないものはできないし、ないもの(能力)はありません。
その人の持っている能力でなにができるか?
それを考えていくしかないのです。
「アイシールド21」 というアメフト漫画にはこんな名言があります。
”ないもんねだりしてるほどヒマじゃねえ
あるもんで最強の戦い方探ってくんだよ
一生な”
これは頭脳にすぐれているが身体能力が平凡なヒル魔妖一というキャラが「お前に身体能力があればな」と言われた際に返した言葉です。
自分自身の勝利の方程式は一生探っていくしかありません。
本日はこれにて。
お付き合いいただきありがとうございました。