自分の弱さを認める勇気〜野村克也「なにもできない夫が、妻を亡くしたら」〜
「人に頼る」という行為。
甘えと感じる人もいるでしょう。
しかし、人に頼るためには自分の弱さを認める必要があり、実はとっても勇気のいることなんです。
球界のレジェンドである野村克也氏(以下ノムさん)に教えられました。
かつて孤独だったノムさんはサッチーこと沙知代氏と出会い、やがて結婚して「ふたり」になります。破天荒ながらも自分に正直に生きたサッチーと歩んできました。そして2017年12月8日。サッチーに先立たれ、ふたたび「ひとり」になった心境を書いています。
サッチーについて語っている本ですが、隙あらば野球を話題に絡めてくるあたりはさすがノムさん。サッチーとの馴れ初めや、ノムさんを支えた「なんとかなるわよ」の精神についても語っていて、サッチーの豪傑っぷりも感じることができます。
サッチーは「死ぬまで働け」が信条の人で、ノムさんにとってもそれが今でも心の支えになっているそうです。
「毎日元気で仕事に精を出して、最後はスパッとこの世とおさらばしましょう。あの世はきっといいところよ。帰ってきた人はいないんだから」
グラウンドを離れてからも私がボケなかったのは、沙知代のおかげだったのかもしれない。
p84より引用
ノムさんとサッチー。あまりに特殊すぎる夫婦の話ですが、一般的な夫婦関係においてのヒントもたくさん見つけることができる一冊です。
その中でも特に「自分の弱さ」を認めることが大切だという話が響きました。
自分の弱さを認める勇気
年齢を重ね、色々なことができるようになってくるとあらゆることに対して「自分でやってしまう方が早いし楽だ」と考えるようになってきます。それなりにプライドも持つようになります。もちろんそれは悪いことではありません。
「人に頼ることは恥ずかしいことだ」
周りに迷惑をかけたくないと考えている誠実な人は意外に多いように感じます。
息苦しいこの世の中。周りを頼るということがもう少しカジュアルにできればいいのにな。と感じます。
ノムさんも本著でこのように語っています。
「自分は弱い」ということを自覚し、認め、受け入れれば、自分でできること、できないことが明確になる。できることは自分でやればいいし、できないことは誰かに頼めばいい。歳をとればいろいろなことができなくなるのは当然なのだから、恥ずかしいことではないし、恐縮する必要もない。
p39より引用
野村克也という男の強みは「自分の弱さ」を認める勇気です。
現役時代は平凡な身体能力(それでも相当なものですが)を補うために、とにかく頭を使って創意工夫。配球を読むという考え方やクイックモーションを生み出したとも言われています。
「野球は頭脳のスポーツ」というイメージを創り出したのもノムさんの功績によるところが大きいでしょう。
監督時代も決して強いとはいえないチームを引き受けながらも、通算成績では1565勝1563敗と勝ち越しています。
いつでもノムさんは「自分の弱さ」を自覚して、「自分にできること」に集中してきました。
「ひとりでなんでもできるよ」
という考えも立派ですが、ひとりではいずれ限界がきます。
自分のできる・できないを理解し、できないことは人に頼る。できることに集中できれば、より爽快に生きられるはずです。
野村 ➖ 沙知代 = ゼロ
「ひとり」になったノムさんですが、本著によってサッチーがノムさんの中に「生きている」というのがよくわかります。
寂しくないわけではないのですが、いちど「ふたり」になった人間はただの「ひとり」ではないということも感じさせてくれます。
キャッチャーはピッチャー がいなければ、何もできない。ゼロだ。「野村−野球=ゼロ」と私はいつも口にしているが、野村から沙知代を引いても、その差は「ゼロ」だったと改めて思う。
はたして、彼女はどう感じていたのか。
「おれと結婚して、幸せだったか?」
あの世にいったら、訊ねたいと思っている。
p92より引用
これはノムさんベタ惚れですわ。
夫婦っていいね。
本日はこれにて。
ありがとうございました。
関東ドラゴンズ民が神宮球場で試合前に勝つ方法
プロ野球の現地観戦。
実はその勝敗は試合前に決まっているのです。
勝敗は二の次で、いかに球場の雰囲気を味わいつくすことができるか。この精神がすごく大事なのです。
野球場という空間は行くだけで元がとれるくらい楽しいもので、試合の勝ち負けなんて正直どうでもよくなってきます。
本日は神宮球場の魅力と試合開始までの楽しみ方をレポートしていきます。
関東のドラゴンズファンだけでなく、まだ現地観戦をしたことがない人の参考になれば幸いです。
みんな球場へ行こう!
みんなのホーム神宮球場
2019年5月26日。東京ヤクルトスワローズのホーム球場である神宮球場へ乗り込んできました。今シーズン初観戦です。
10点差逆転や9回6点差逆転など苦い思い出(*リンク先グロ注意)が多くドラゴンズファンにとっては魔境といわれる球場ですが、関東ドラゴンズ民である自分にとってはホーム球場と言っても過言ではありません。ドラゴンズの試合は東京ドームや横浜スタジアムでも観れますが、なぜか神宮には謎のホーム感があります。きっと他チームファンも同じように思っているのでは?
神宮球場の魅力はなんといっても野外球場独特の雰囲気。
周りには緑も多く、爽やかな風を感じることができます。とくに夏の夕暮れ時はお祭り感があって最高です。それとヤクルトファンはいい人が多い気がします。
夕暮れの神宮。
あとはビールがあれば...
それだけでいい...それだけでいい...
戦いは前日から始まっている
試合開始は18:00ですが「開始に間に合うくらいに行けばいいかー」などと甘いことを考えてはいけません。
勝負は前日から始まっています。
というわけで、まず前日の夜はドラゴンズの選手や監督の著書に目を通して試合に向かう気持ちをつくっていきましょう。
今回はこちらの一冊。
大島選手の人となりを知ることで応援の熱量を上げていきます。
ひいきの選手がいるとそれだけで、楽しみも倍増ですね。
ちょうどユニフォームも持っていたので、明日はこれを着ていくことにします。
ユニフォームは買っておくと、よりテンションが上がるのでオススメです。
最近ではビジターチームのユニフォームを無料配布する日もあるので、その日を狙っていくのもよいかもしれません。
*昨年はこんな感じでやってました。関東ドラゴンズ民にとっては嬉しいイベントですね。
あえての信濃町ルート
いよいよ試合当日。
前日夜はワクワクしすぎて逆にぐっすり眠ることができました。
試合開始は18:00ですが、球場に入れる16:30に合わせていきます。試合だけ観てもそれはそれで楽しいですが
- 球場周辺をお散歩
- バッティングセンター
- 選手の出待ち
- スタジアムグルメ
- 試合前練習
など試合以外にも楽しめる要素がたくさんあります。せっかくなんでまるごと楽しみましょう。
神宮球場へのアクセスは東京メトロ銀座線「外苑前」駅から行くのが一番近いですが、ここではあえてJR総武線「信濃町」駅から向かうルートをオススメします。
このルートでは自然豊かな神宮外苑をお散歩がてら球場に向かうことができます。
ひとまず駅前のコンビニで氷と缶ビールを3本買いました。夏場は袋に入ったロックアイスをひとつ買っておくとなにかと便利です。缶ビール3本はおやつです。
通るたび何の建物か気になっていたのですが、どうやら聖徳記念絵画館という建物らしいです。なるほどわからん。
この広場では親子でキャッチボールをしていたり、野球ファンがたたずんでいる和やかな風景が広がっています。緑豊かな公園でもあるので、ピクニック気分が味わえるのも神宮球場ならではの魅力ですね。
試合前にバッティング練習
聖徳記念絵画館前広場を抜けると神宮バッティングドームに到着します。ツツジが鮮やかですね。
ここではテンションを上げていくために、選手の気持ちになって試合前バッティング練習をします。
本日の先発は高梨選手ですが、代わりに小川選手を打ち崩しておきましょう。
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オレは投球数20球に対し、安打0だった。
体力が下がった。
テンションが下がった。
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ド...ドラゴンズの選手たちに仇をとってもらうことにしましょう。
バッティングセンター内には選手が実際に使用したバットやグローブなどを触ることができるコーナーがあります。ちなみに木製バットってめちゃくちゃ重いです。それをいともたやすく振り回すプロ野球選手しゅごい、、、ってなります。
いよいよ球場へ...
バッティングセンターのあたりを抜けるといよいよ球場が見えてきます。この辺りから自然と早足になりがちです。
だ…駄目だ まだ笑うな…こらえるんだ…
16入り口では選手の出待ち行列ができていることがあります。写真はブレブレですが、ヤクルトのブキャナン選手を見ることができました。快くサインに応じていました。プロ野球選手は近くでみるとマジでデカくてビビる。
いよいよ球場内に入ります。いつのまにかビールを2本飲み終わっているので、最後の1本を入り口でコップに移し替えます。
いざっ!
球場に入ってグラウンドが目に入るこの瞬間が大好きで、なぜか毎回感動してしまいます。
今回はビジター外野指定席Aをとりました。近いのはいいんですが、見るときに外野のネットフェンスがかぶってしまうので外野指定席Bの方がグラウンド全体が見やすいかもしれません。ちなみに外野席はガチめな応援席で、攻撃の時は基本立つのでゆっくり試合を観たいという方は内野席がオススメです。
食事は先手必勝
野球観戦の魅力のひとつであるスタジアムグルメ。その攻略法は先手必勝。まだお客さんが並んでいない試合開始前に食事をすませてしまいます。
試合がはじまってしまうと、真ん中の席の場合出るときに隣の人に立ってもらわないといけないので「なんかスンマセン」って気持ちになります。なので試合中はなるべく席を立たなくていいように食事やお手洗いは事前に済ませておくことをオススメします。
グルメマップができてました。めちゃ便利。色々あって迷いますね。
ベタに神宮名物ウインナー盛りを買いました。ビールに合う。合いすぎる。
写真はウインナー盛りですが、何人かで来たときはメガ盛りを買うと盛り上がります。「ルウジャパン」というお店で買うことができますが、試合が始まると行列ができてしまうので、試合開始前の16:30~17:30の時間帯が狙い目です。
プロのすごさを肌で感じる
試合開始前には両チームの練習が観られます。特に楽しいのは守備練習。プロ野球選手の肩の強さ、足の速さにはびっくりします。あとバレンティンめちゃくちゃでかい。
試合開始前にすでに1勝
いよいよ試合が始まりますが、この時点でこれだけ楽しんでいるんです。すでに勝ったといえるのではないでしょうか?
ちなみに試合は5回までに両チーム合わせて7本のホームランが飛び出す神宮大花火大会となりました。なんだこの試合。
青木・山田・バレンティンの三者連続ホームランが出たときは「終わった」と思いましたが、堂上直倫選手の2打席連続ホームランなどでくらいつき最後はモヤ選手に待望の一発!スリーランホームランで勝ち越しに成功しました。
現地観戦で直倫のホムーラン見れたんだが勝ちってことでいいかな?
— キウイズム (@saezurukiwism) 2019年5月26日
なんか知らんけど泣きそう。
ホームランも嬉しいですが、現地で観ると堂上選手の守備のうまさをより感じることができます。
9回には大島選手も貴重な追加点となるタイムリーを打ちました。思い入れのある選手が活躍するのはやはり嬉しいですね。
チームが勝つのももちろん嬉しいですが、勝敗を超えて球場の雰囲気を味わうことができるとプロ野球観戦がまたひとつ楽しくなります。
試合前で1勝。
試合でも1勝。
今回は見事1日に2勝することができましたが、たとえ試合に負けても1勝1敗 です。つまり優勝です。
みなさんもぜひ神宮球場に足を運んでみてください。
本日はこれにて。
ありがとうございました。
ピッチャーよ!勝ちたければヒットを打て!〜ジエンゴ(自援護)の証明〜
野球におけるジエンゴ(自援護)の概念をご存知でしょうか?
「ピッチャーがヒットを打つとチームが盛り上がる」というようなジンクスがよく言われます。
果たしてそれが本当なのか検証したところ、ジエンゴは一定の効果がありそうということがわかりました。
ジエンゴ(自援護)とは?
読んで字のごとくピッチャーがヒットを打つことによって自らを援護するさまを表します。
古くは堀内恒夫がノーヒットノーランを達成した試合で3本のホームランを記録したり、記憶に新しいところでは1番ピッチャーとして出場した大谷翔平が初回先頭打者ホームランを打ち、そのままピッチャーとして勝利をあげるなど、一流の投手はバッティングも一流ということが言われています。
ジエンゴのメリット・デメリット
ホームランとまではいかなくても、ピッチャーが自らヒットやタイムリーを打つことはチームにとっていくつかメリットがあります。その中で最大のメリットは相手ピッチャーのリズムを崩すことができる点ではないでしょうか?
打つ確率の低いピッチャーでその回が終わるはずだったのに、出塁率の高い1番バッターに打順が回ってしまうのは投げる側にとってはプレッシャーとなります。
また「ピッチャーにだけは打たれてはいけない」という心理状態でピッチャーにタイムリーを打たれてしまうと、精神的ショックも大きいと考えられます。
一方でデメリットとしては出塁して、ランナーとして走塁面での負担がかかることでピッチングに影響を及ぼすリスクもあげられます。そのリスクを避けるためピッチャーが無抵抗で三振する場面もよく見られますね。
「結局のところジエンゴは意味があるの?」
そんな疑問が出てきたため、2019年シーズンの5/7までに行われたセリーグの101試合を調べました。
ピッチャーがヒットを打った試合、つまりジエンゴがあった試合がどのような結果になっているのか?
みごと勝ち投手になっているのか?
せめてチームは勝っているのか?
それとも悲しい結末が待っているのか?
ジエンゴの結末をみていきましょう。
ジエンゴの結末はいかに?
5/7終了時点までのセリーグ101試合中33試合でジエンゴが行われていました。
*ヒットは出てないですが、4/24に広島カープの野村祐輔選手がスクイズで1打点をあげていましたので、これもジエンゴとして扱うことにします。
結果表記は以下のとおりです。
☆・・・自身が勝ち投手になった
◯・・・チームは勝利した
◉・・・チームは敗北した
★・・・自身が負け投手になった
【2019/5/7時点までのジエンゴ一覧】
3/29 今永 昇太 (De) vs中 ☆
3/30 ヤングマン (巨) vs広 ☆
3/31 畠 世周 (巨) vs広 ◯
4/2 原 樹里 (ヤ) vsDe ◯ *2安打
4/4 浜地 真澄 (神) vs巨 ★
4/5 笠原 祥太郎 (中) vsヤ ◉
4/5 小川 泰弘 (ヤ) vs中 ◯ *1打点
4/5 大瀬良 大地 (広) vs神 ★
4/6 石川 雅規 (ヤ) vs中 ◯
4/9 ガルシア (神) vsDe ◯
4/9 原 樹里 (ヤ) vs広 ☆
4/11 大貫 晋一 (De) vs神 ☆
4/12 菅野 智之 (巨) vsヤ ☆
4/12 今永 昇太 (De) vs広 ☆ *完封
4/13 ヤングマン (巨) vsヤ ◉
4/13 柳 裕也 (中) vs神 ☆ *2安打
4/14 高橋 奎二 (ヤ) vs巨 ◯
4/14 西 勇輝 (神) vs中 ☆ *2打点
4/16 原 樹里 (ヤ) vs神 ☆
4/17 山井 大介 (中) vsDe ☆
4/19 今永 昇太 (De) vs広 ◉
4/20 井納 翔一 (De) vs広 ◉
4/24 高橋 優貴 (巨) vsヤ ☆
4/24 野村 祐輔 (広) vs中 ☆
*ヒットはないがスクイズによる1打点
4/24 山井 大介 (中) vs広 ★
4/27 又吉 克樹 (中) vs神 ☆
*リリーフ登板
4/28 今村信貴 (巨) vsDe ☆
4/29 九里亜蓮 (広) vsヤ ★
4/30 原 樹里 (ヤ) vsDe ◯ *1打点
5/2 スアレス (ヤ) vsDe ★
5/3 小川 泰弘 (ヤ) vs中 ☆
5/3 メルセデス (巨) vs広 ◉
5/5 阿知羅 拓馬(中) vsヤ ☆*1打点
結論:ジエンゴは大事
ジエンゴのあった33試合のうち
勝ち 23試合(☆16◯7)
負け 10試合(★5◉5)
という結果になりました。
ジエンゴがあった試合ではチームにとってポジティブな結果になる確率が高いと言えますね。
とくに*印の部分のように打点をあげたり、2安打した試合では全てチームの勝ちになっています。ピッチャーがバッティングで結果を出すことがチームに良い影響を与えています。
【球団別ジエンゴ試合数と内訳】
ヤ 9(☆3◯5◉0★1)
巨 7(☆4◯1◉2★0)
中 6(☆4◯0◉1★1)
De 5(☆3◯0◉2★0)
神 3(☆1◯1◉0★1)
広 3(☆1◯0◉0★2)
☆・・・自身が勝ち投手になった
◯・・・チームは勝利した
◉・・・チームは敗北した
★・・・自身が負け投手になった
球団別では東京ヤクルトが9試合で1位となりましたが、そのうち5試合が原樹理選手によるものです。ちなみに5/7時点での打率/OPSは.357/.866でした。これはもはや二刀流といってさしつかえないのでは、、?
われらがドラゴンズはピッチャーの打撃が悪いイメージがあったんですが、それなりに打っているみたいです。勝ち投手になる確率は高いので、ピッチャーはみんな山井大介さんや松坂大輔さんにバッティングの教えを乞おう。(提案)
今回は2019シーズン途中までの集計となりましたが、シーズン終了時や過去シーズンのものも機会があれば調べてみます。
おわりに
この記事を書くきっかけとなったのは、贔屓球団である中日ドラゴンズの開幕戦3/29の試合でした。
対戦相手の横浜DeNAベイスターズ先発・今永昇太選手にまさにジエンゴを見せつけられた試合となったのです。
野手顔負けの粘りからのヒットでチャンスメイク。その後、先制点を取られドラゴンズはそのまま敗北しました。
この打席では今永選手の勝ちたい気持ちがとてもわかりやすく表れており、敵ながらも一瞬「勝たせてあげたい」と思ったことを覚えています。
そしてヒットを打たれたときになんだか流れを掴まれた感覚があったんですよね。「あ、これ負けるやつだ」と。
現地観戦にいくとわかるんですが、贔屓チームのピッチャーがヒット打つとめちゃくちゃ盛り上がります。反対に打たれるととっても不穏なムードになります。
「まさかアイツは打つとは」というのは野球の醍醐味でもあるので、ピッチャーのバッティングにも注目してみると楽しいですよ。
ピッチャーは投げるのが本業とはいえ、ジエンゴの効果はそれなりにありそうなので勝ちたいピッチャー(とくにドラゴンズ )はバッティングにも意識を向けてみるといいかもしれません。
本日はこれにて。
ありがとうございました。
喜びも苦しみも2倍?〜イチロー・弓子流パートナーシップ〜
「喜びは2倍に、苦しみは半分に」
結婚を語るときによく使われるフレーズですが、実際はどうでしょう?
私自身の経験から語ると、喜びはたしかに2倍になるかもしれませんが、相手の苦しみを引き取ってあげることなんてできないことに気づきます。
Number976号掲載の独占ロングインタビューにて、元プロ野球選手の鈴木一朗氏(違和感がすごいので以下イチロー)が、弓子夫人について語っていた内容がとても素敵だったので紹介させていただきます。
Number(ナンバー)976号「完全保存版 イチロー戦記。」 (Sports Graphic Number(スポーツ・グラフィック ナンバー))
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球場でホットドッグを食べるのが夢だった
引退会見でのおにぎりエピソードによって、プロ野球選手イチローを長年支えていた弓子夫人の献身性が話題になりました。
もちろんおにぎりは氷山の一角で、数えきれないほどのエピソードがあるはずです。本号では弓子夫人がイチローの試合出場中は、自宅でも球場でも決して食べ物を口にすることはなかったというエピソードが語られています。
それをイチローが知ったのは引退後、2人でマリナーズの試合を見に行った時にホットドッグを食べながら「球場でこんなふうにホットドッグを食べるのが夢だった」と言われてはじめて知ったそうです。イチローが戦っているとき、弓子夫人も人知れず戦っていたのです。
妻の存在は大きな支えだったとイチローは語っています。
「一緒に戦ってくれていましたからね。僕よりもよっぽどしんどかったと思います。だって直接、戦えませんから......僕は直接、戦えるじゃないですか。だから敵の感触もわかるし、悔しさも嬉しさも直に感じることができます。でも弓子は試合を観ながら、いろんなことを想像して戦ってきたわけで......僕がうまくいかないときは、僕よりも苦しかったと思うんです。うまくいかない理由を想像するしかないんですから」
Number976号 p22より引用
自分が直接戦えない苦しさ。
それを決して口にすることはなく、あたりまえのようにイチローの「あたりまえ」を支えていました。
それを「自分よりしんどかった」と感謝することのできるイチロー。
そんなふたりのパートナーシップをとても羨ましく感じました。
相手が苦しいときにできること
一般的なパートナーシップにおいても「相手が苦しいときのほうが苦しい」という人は意外と多いのではないでしょうか。
苦しみは本人だけのものであり、代わってあげることなんてできません。他人の気持ちがわかるなんてことは決してありえないのです。だからこそイチローが言ってるように想像するしかなくて苦しい。
自分で解決できないもどかしさ。
言葉をかけることすらままならない無力感。
そんなことを感じた時にできることはいつもと変わらない様子でそばにいて、そっと寄り添うことだけなのかなと思います。
イチローは結婚についてこのように語っていました。
「よく言うじゃないですか、結婚生活、嬉しいことが倍になって、苦しいことは半分になるって......それ、まったく違うと思います。嬉しいことは確かに倍になりますけれど、残念ながら、苦しいことだって倍になるんです。これから結婚する人には『夢、みてんじゃねえよ』って言って差し上げたいと思います(笑)」
Nunber976 p26より引用
結婚生活に夢を見てはいけないというのは激しく同意ですが、夫婦として現実をともに戦うというのは悪くないものです。
喜びは2倍で苦しみも2倍。
もしかした2倍の苦しみの分だけ喜びもさらに倍になるかもしれません。
そうなると喜びは4倍で苦しみ2倍?
ガバガバの計算ですがそういうことにしておきましょう。
本日はこれにて。
ありがとうございました。
イチローの「狂気」に憧れて
自分の内側から出てくる気持ちを大事にすること。
外からの評価や言葉に惑わされないこと。
自分の人生を生きるための必要条件です。これらは「狂気」とも言いかえることができそうです。それを極めた例がイチローではないでしょうか。
スポーツ雑誌「Number」でみんな大好きイチロー特集があったので即買いしました。
Number(ナンバー)974号「イチローを見よ。ICHIRO OPENING 2019」 (Sports Graphic Number(スポーツ・グラフィック ナンバー))
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2019/03/14
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2019年の開幕を迎えたイチローの様子を描いた密着ドキュメントや、上原浩治や福留孝介、内川聖一といった現役プロ野球選手が語る「僕たちのイチ論」など魅力的なコンテンツがたくさんありますので、イチローファンは必見です。
イチローの「狂気」に憧れて
そもそもなぜ我々はイチローが好きなのでしょうか?
技術?スタイル?哲学?
思い当たる項目はいくつでもありますが、好きであることが当たり前すぎて深く考えてこなかったように思います。(ムネリンに聞けば5時間くらい平気でしゃべってくれそうですが)
特集の中にそのヒントがありました。
番記者を26年務める小西慶三氏の密着ドキュメント「その”狂気”を笑わば笑え」という記事中で現在のイチローを取り巻く状況を「Crazy」と称しています。
イチロー選手は昨年2018年5月にシアトルマリナーズの「会長付特別補佐」に就任しました。2018年5月以降は試合に出場できない契約となっていますが、チームの練習には参加しています。
45歳での選手復帰を目指す2019年シーズンのオープン戦では、昔対戦したピッチャーの息子と対戦するなど、タイムスリップしてるみたいで確かに「Crazy」と言えそうです。
しかし変化していく環境のなかで、毎年同じ姿を見せるイチローがもっとも「Crazy」です。
イチローは変わりません。
1つのヒットを打つために毎日練習して、秒刻みのスケジュールを過ごしています。
51歳まで現役を本気で目指しています。
世界一ヒットを打った選手が、次の一本のヒットのために全力で技術を磨き続けています。
イチローはいつも通りの「狂気」をもってこの「Crazy」な状況を打破しようとしています。
そんな「狂気」にぼくたちは憧れてきたのです。
「狂気」は続くか
2019年マリナーズは東京ドームにて開幕を迎えます。おそらくイチロー選手も出場するはずです。しかしイチローファンの関心はその先にあるのではないでしょうか?
いつまで選手「イチロー」の姿を見ることができるのだろうか?
「会長付特別補佐」は事実上の引退?
そんな疑問もあるでしょうが、それは野暮ってもんです。
記事中にイチローのこんな言葉がありました。
「誰もが難しいと思うことを、難しいと判断することさえも本当は難しい。だって、誰もそれをやってないんだから。だからその判断をというか、安易な責任のない意見、そういうものを裏切りたいと思っています」
Number 974号 p23より引用
イチローの「狂気」は続きます。
今はそれを楽しみましょう。
「個」が試されるとき〜いち中日ファンが考えてみた〜
こんにちは。
キウイズムです。
「集団」の中にいる時は気が大きくなって、恥の多い行為ができてしまいます。
心の中に「ひとりのときでもそれができるかい?」と聞いてくれる小人がいると、誇らしく生きていける気がします。
ファンサービスの悲しい結末
やきうファンの正月ともいえる2/1を迎えてからは各球団のキャンプ情報が次々と流れてきます。
われらが中日ドラゴンズも根尾昂や松坂大輔など全国区の知名度を誇る選手を中心に、例年にない盛り上がりを見せていましたが、その中で悲しいニュースも届いてきました。
https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/201902110000418_m.html?mode=all
松坂選手がファンとの接触時に、腕を引っ張られたことが原因で右肩の違和感を訴えたとのこと。
大事に至らないことを祈っていますが、ベテラン選手の故障に関するニュースというのは胃が痛くなってしまうので、あまり聞きたくないものです。
ファンサービスに定評のある松坂選手にこのようなことが起こってしまったことが残念でなりません。
詳しい状況はまだ明らかになっていませんが、今回の件に心当たりのあるファンは自分の行為をしっかり反省していることを、同じ中日ドラゴンズファンとして信じたいものです。
「集団」という狂気
「集団」という大きな流れの中で自分を律するというのは難しいことです。
スポーツ観戦や音楽ライブなどを想像してみるとわかりやすいでしょう。大きな固まりで人が動く時というのはある種の狂気が発生し、それが熱狂につながることもあれば、恐怖を感じることもあります。
今回の松坂選手の件がどんな状況で起こってしまったのかを確かめるため画像を色々探してみました。この時に起こったかどうか定かではないですが、やはり異常な状況だと思います。
・球団の管理体制
・ファンの良識
・選手とファンの距離
ファンサービスのあり方において議論されるべき要素を凝縮したような一枚ですが、なによりパッと見た時点で集団としての狂気を感じることができます。
この写真を見たとき
「そこまでしてサインが欲しいかな?」
と思う一方で
「その場にいたら我慢することができただろうか?」
という疑問が浮かんできました。
正直、自分を制することが出来ずに「みんな集まってるから」というノリで同じことをする可能性も否定できません。なにせ、あの松坂大輔が近くにいるのですから。
本来はキウイズム怒りの記事を書きたかったのですが、書きはじめてみると単純に外から批判するのも自分にはできないなと思うよになりました。
「個」であることを忘れるな
「あんなこと自分は絶対しない」
「あんなのファンじゃない」
「良識のあるファンにとっても迷惑だ」
その場にいなかった者が言うのは簡単です。しかし現地には現地の狂気が流れているからこそ、個人としては絶対やらないようなことをやってしまうのではないでしょうか。
こういった場面に限らず、気づかないうちに狂気にあてられてしまっている可能性は誰にでもあるのです。
それでも「みんなやってるから」というしょうもない理由で取り返しのつかないことをしてしまうのは悲しいですよね。
ファンという「集団」の中にいるときこそ、「個」としての人間性が試される。そのことを忘れないようにしたいと思います。
今回のファンサービス問題はそれを考えるきっかけをくれる出来事だったように思います。
最後になりますが、松坂大輔選手をはじめとした中日ドラゴンズ選手のみなさんが今シーズン元気な姿を見せてくれることを心から祈っています。
本日はこれにて。
お付き合いいただきありがとうございました。
松坂大好き
もうやめよう「〇〇二世」
こんにちは。
キウイズムです。
本日は久々にドラゴンズの話題を。
根尾選手に関する連日の報道がすごいですね。中日スポーツの根尾大喜利に楽しませてもらってます。
最近のもので好きだったのはこれ。
根尾の目、神宮に強い 屋外ナイターも感度良好:ドラニュース:中日スポーツ(CHUNICHI Web)
神宮に強いって。。
まあ盛り上がるのはいいことなんですが、その中で「ん?」と思った言葉があったので、本日はそのお話をします。
もうやめよう「〇〇二世」
立浪二世”根尾昂は本家を超えられるか?(ベースボールキング) - Yahoo!ニュース
記事としては「偉大な先輩である立浪和義を超えてほしい」という思いが伝わるものですが、気になったのはタイトルの「立浪二世」という言葉。
「〇〇二世」という言葉はもうやめにしませんか?
元記事にもあるように、確かに立浪さんは素晴らしいドラゴンズOBであり、見本となるような選手であることに疑いの余地はありません。ショートというポジションや甲子園のスターである経歴を見て、その姿を重ね合わせたくなる気持ちは分かります。
しかし根尾選手には根尾選手の素質があり、オンリーワンの存在です。根尾選手だけでなく、全ての選手がオンリーワンです。そんな選手たちの可能性に「二世」という言葉で蓋をしてはいけないなと思うわけです。
ドラゴンズ には「立浪二世」も「荒木二世」も「岩瀬二世」も必要ありません。時代を作っていくのは今いる唯一無二の選手たち。未来の可能性を信じるやきうファンでありたいものです。
殿堂入りの立浪氏「ちょっと気の毒」根尾思いやる - プロ野球 : 日刊スポーツ
「この段階でレギュラーとして期待されていることがちょっと気の毒。自分よりスケールの大きい、長打が打てる選手。ショートで本塁打30本以上という、そういう選手に育ってほしい。大事に育ててもらいたい」
当の立浪さんはこの素晴らしいコメント。
一時期は与田新監督に関する報道でも「星野イズム」という言葉がうんざりするくらい使われていましたが、誰かとの比較ではなく本人にフォーカスを当てた言葉を使って欲しいなと思います。
ちなみに「立浪二世」でググるとトップにこの選手が出てきました。
お、おう。
周囲のイメージが本人を作る
「〇〇二世」という言葉に限らず、その 人のイメージを表す言葉は慎重に使いべきなのではないでしょうか。
例えば会社というシチュエーションでも、影響力のある(信頼されている、地位が高い)社員Aが後輩社員Bのことを「アイツは仕事ができない」とみんなの前で言っている場面を想像してみてください。
なんとなくBのことを「仕事のできないやつなのか?」と思い始め、その後Bがなにかミスをした場合には「やっぱり」と思ってしまうのではないでしょうか?
怖いのはそれによってBの良い部分までも見えなくなってしまうことです。
どれだけ先入観なしにその人を評価しようと思っても、最初につけられたイメージというのは大きな影響を与えてしまうものなのです。
人を表す言葉の取り扱いは慎重に。
このやり方で意図的に人のイメージを操作してくる卑劣な人もたまーにいますが、そんな人には注意してくださいね。
本日はこれにて。
お付き合い頂きありがとうございました。
根尾君はいずれやってくれるさ
恋する変人たち「止めたバットでツーベース」
野球好きには変人が多い。
のっけからビーンボールまがいの偏見を投げつけてしまったが、心当たりのある野球ファンは多いはずだ。
「自分はそんなことないよ」と思ったそこのあなたは多分、変人です。おめでとう。
野球に恋する変人たちの物語を紹介する。
この作品に登場する「変人」たちが愛おしくてたまらない。
「自分をプロ野球選手と言い張る芸術家」の話なんかは最高に狂気と愛を感じた。字面だけで既にヤバさが伝わってくる。
他にもたくさんクレイジーな人が出てきます。乞うご期待。
プロ野球への恋
”「プロ野球の存在意義とは、その街の人々の暮らしが少しだけ彩られたり、単調な生活がちょっとだけ豊かになることにほかならない」”
この作品を読みながら、元日本ハムファイターズ新庄剛志の言葉が頭に浮かんでいた。
少し調べてみるとプロ野球再編問題の時の発言らしい。(個人的にパリーグの今の盛り上がりがあるのは新庄氏のおかげと言っても過言ではないと思っている。)
「少しだけ」や「ちょっとだけ」の部分が妙にトガっている変人たちの、プロ野球と共にある生活。
その面白さ、くだらなさ、やるせなさがこの作品には詰まっている。
新庄氏の言葉を借りると、それこそがプロ野球の存在意義なのである。
読み終わった後、ちょこっとだけプロ野球のない世界を想像してみる。
野球そのものを失うことよりも、これまで一緒に、一球一球に、一喜一憂していた人たちがいなくなることが寂しかった。
まだまだ変人たちに会いたい。
プロ野球に恋をしていたい。
ドラゴンズとチェルシーに学んだ「守り勝つ」考え方
こんにちは。
キウイズムです。
私には心の師といえるスポーツチームが2つあります。
ひとつが日本プロ野球チームである中日ドラゴンズ(2011)であり、
もう一つはイングランドプレミアリーグのチェルシー(2004-2005)というサッカーチームです。
競技の違いこそありますが、共通していたのは「点を与えなければ負けることはない」という哲学でした。
言うのは簡単ですが、実行するのは難しい。そんな言葉を実践した偉大な2チームなんです。
「つまらない野球」
「アンチフットボール」
といった周囲の批判にさらされながらも、勝利にこだわる姿にプロフェッショナルを感じて憧れていました。
ドラゴンズとチェルシーは大切なことを教えてくれました。
得点を狙うより、失点を防ぐことに重きを置く、「守り勝つ」という考え方です。
攻めるか?守るか?
得点=好きなこと
失点=嫌いなこと
として人生の攻守のバランスを考えてみます。
守り勝つための生き方とは「嫌いなことから自分を守る」というやり方です。
もしかすると消極的な発想に感じる人もいるかもしれませんね。
攻撃型として得点を狙っていくのは理想的な生き方です。
「好きなことをして生きていく」
魅力的なキャッチフレーズです。
しかし好きなことを見つけるのは簡単なことではありませんし、バンバン得点を決めてる人と自分を比べて疲れてしまいそうです。
そんな人は「嫌い」という失点を防ぐ現実的な方法を目指しましょう。
「嫌い」は見つけやすい
自分の「好き」が見つけられないという人でも、「嫌い」をあげていくことは簡単だったりします。
- サービス残業
- 満員電車
- 不本意な友人付き合い
- 嘘をつく
- 愛想笑い
などなど。
リストアップするのは気持ちの良いものではありませんが、自分を知るためには大事なステップです。
次は「嫌い」を防ぐにはどうしたらいいか?を考えて、行動にうつしてみます。
はじめは些細なことでいいので、自分の力で変えられることが必ずあるはずです。
「好き」を見つけるのは簡単にいかないですが、「嫌い」はあちらからやってきます。それらを次々と防いでいきましょう。
守りを固めると自分が見えてくる
みんな色んな方法で「自分」を探しています。
しかし「自分」というものはもともと存在するわけではなく、「自分らしくなさ」をギリギリまで削りとって、はじめて姿を見せるものなのではないでしょうか?
その方法の一つが「嫌い」を防ぐということです。
「なりたい人」がいなければ「なりたくない人」を反面教師にしましょう。
「やりたいこと」が見つからなければ、ひとまず「やりたくないこと」はやらないようにしましょう。
「好き」が分からなければ、自分の「嫌い」を理解しましょう。
守りを固めて、きたるべき勝利のチャンスを待ちましょう。
本日はこれにて。
お付き合いいただきありがとうございました。